「アサーション」とは(別名「アサーティブネス」「アサーティブコミュニケーション」)

「アサーション」とは?(別名「アサーティブネス」「アサーティブ」)

コミュニケーションや人間関係の悩みでストレスを抱えていませんか?

★言いたいことがあるのについ遠慮して言えない。

★大切な人についイライラ、カッとしてしまい言わなくてよいを言ってしまう。

★断るのが苦手でいつも仮病や言い訳を作って逃れている。

★どうしたらサラッと素直に気持ちを伝えることができるんだろう、頼み事や断ることができるんだろう。

・・・といった悩みを持っていませんか?

 

こういった悩みを改善するために役に立つのが「アサーション (assertion)」というコミュニケーションスキルです。「アサーティブネス(assertiveness)」あるいは「アサーティブコミュニケーション (assertive communication)」とも言いますが、意味はすべて全く同じです。

元々はアメリカで生まれたコミュニケーションスタイルですが、日本でも最近は耳にする方も多いかもしれません。

この記事では具体的にアサーションとはどういったスキルなのか、具体的に説明していきたいと思います。

 

その前にこの記事の信ぴょう性について

ロサンゼルスのアサーティブコミュニケーション講師アサーション発祥の地であるアメリカの地元新聞社で7年勤務、パブリックスピーキング国際非営利団体のトーストマスターズでスピーチコンテスト入賞。アメリカでアサーションを含む様々なコミュニケーションスタイルを学び実践しています。また、在米日本人を中心にアサーショントレーニングを提供しています。アサーションは英語の観点から理解するとわかりやすいので、日本国内だけではなく海外で悩んでいる方にもお役に立てればうれしいです。

 

目次
01-「アサーション」とは?(別名「アサーティブネス」「アサーティブ」)
—–「アサーション」とアメリカ社会
—–「アサーション」と日本社会
02-アサーションを含む4つのコミュニケーション(自己主張)スタイル
03-言いたいことが言えない・断れない「受動的コミュニケーションスタイル」(モジモジさん):
—- 受動的コミュニケーションの主な特徴
—- 受動的コミュニケーションスタイルの心理的背景
—- 受動的コミュニケーションスタイルを続ける代償
04-攻撃的コミュニケーションスタイル(ガミガミさん):
—- 攻撃的コミュニケーションスタイルの特徴
—- 攻撃的コミュニケーションスタイルの心理的背景
—- 攻撃的コミュニケーションスタイルを続ける代償
05-隠れたり避けて結果だけを達成する作為的コミュニケーションスタイル(ネチネチさん):
—- 作為的コミュニケーションスタイルの特徴
—- 作為的コミュニケーションスタイルを続ける代償
06-自分も相手も尊重する「アサーション(アサーティブコミュニケーションスタイル)」(サラッとさん)
—- 事例:長い列で待っているときに、自分の前に誰かが割り込んできた場合
07-アサーションを身に付けると・・・
08-アサーションについて学ぶ方法

 

 

「アサーション」とは?(別名「アサーティブネス」「アサーティブ」)

「アサーション」とは簡単に言うと、相手を尊重しながらもサラッと自分の意見を言うコミュニケーションスキルです。

「アサーション」の元となる英単語の assertion を辞書で引くとどちらかといえば「自己主張をすること・自分を押し通すこと」という風に書かれています。それを読むと他人の意見にかまわず自分の意見を押し付けるような印象に聞こえてしまいますが、コミュニケーションスキルの「アサーション」では、相手を傷つけず批判せずに素直な気持ちを表現していきます。

 

アメリカ社会とアサーション

アサーションは、1950年代にアメリカで心理療法として自己表現が苦手な患者のために開発されました。その後、アメリカの黒人差別における公民運動でのすべての人種の権利の主張と繋がっていきます。

このサイトではアサーションの細かい背景は割愛しますが、現在アメリカに住んでいる私にとって一つ言えるのは、これだけ人種や国籍含め多種多様な背景を持つ個人が集まっている国では、違う考え方について理解しようとする努力は大切であると同時に、自分の意見をはっきりと言わないと「やっていけない」ということです。

「空気を読む」ことも、「言わなくてもわかってくれる」ということもないため、アサーションがアメリカで生まれたのは当然のことのように思えます。

 

日本社会とアサーション

一方、アメリカほど人種・国籍が多様ではない日本では必要ではないかと言うと、そうではありません。

人種や国籍が同じであっても、私たちは一人ひとりユニークな価値観や経験に基づく考え方を持っています。そのため、やはり自分とは違う考え方を理解を示しながらも、自分の意見をわかりやすく伝えるスキルは重要です。

また、日本人が海外に住んだり、外国人と交流する際にも、日本人がよく知っている「謙遜」や丁寧で遠回しな表現が奨励されないどころか誤解を生じることがあります。(それは英語力の問題だけではありません。)そのため、日本人においては、アメリカ社会とは別の文脈でアサーティブネスを学ぶ必要性があると思っています。

 

アサーションを含む4つのコミュニケーション(自己主張)スタイル

それでは本題に入っていきましょう。

私たちは、精神状態・相手・状況に基づいて4つのコミュニケーションスタイルを使い分けていると言われています。アサーションはその中の一つです。

 

ここで注意していただきたいのが、ここで説明しているのはコミュニケーションの「スタイル」および「パターン」であって、その人の「性格」や「人のタイプ」ということでしはありません。したがって同じ人が複数のコミュニケーションスタイルを持っており、無意識に切り替えていることもよくあります。

 

それではそれぞれのコミュニケーションスタイルについて説明していきます。わかりやすいようにそれぞれのスタイルにニックネームを付けてみました。

チェックリストを読みながら、あなたはどういう状況でどのスタイルを使っているか考えてみてください。

 

言いたいことが言えない・断れない「受動的コミュニケーションスタイル」(モジモジさん):

受動的コミュニケーションスタイル(passive communicaiton style)

英語では “Passive communication Style (パッシブコミュニケーションスタイル)”と呼び、日本語の資料によっては、“非主張的タイプ”とも表記されています。名前の通り、自己をあまり主張せず相手に任せてしまうスタイルです。

 

受動的コミュニケーションの主な特徴

他人からの理不尽な頼み事も引き受けてしまう。

そしてどうして相手がそんなことを頼めてしまうのか不満に思うが断ることができず、結局やってしまう。(例:自分の結婚式の翌日に、残業を引き受ける)

長いものに巻かれる。

例:行きたくない飲み会に、みんなが行くから行く

他の人が意見を述べるまで、自分の意見を述べない。

例:「この映画についての私の感想ですか。。。。えーっと。。。逆にあなたはどう思いますか?あー、確かに!私もそう思います。」

他人を批判したり、ネガティブなフィードバックを与えない(それが相手にとって知るべきことだったとしても)。

例:友達が試着している服が全然似あってないのに良いと言う。

 

受動的コミュニケーションスタイルは、「相手を尊重して自分を尊重しない」スタイルです。英語で言うならば、You are OK, I am NOT OK. です。相手の要求を満たすために自分を犠牲にします。

 

「受動的」と言うと、何もしない、という風に聞こえるかもしれませんが実は、逆で「受け身タイプ」の人はものすごく気を使っています。相手に気に入られたり、みんなを喜ばせようとものすごく努力しています。そして誰よりも気を使って努力した結果、自分が疲れてストレスが溜まってしまいます。

 

受動的コミュニケーションスタイルの心理的背景

別記事で説明しますが、私たちはいつでもコミュニケーションスタイルを選択するかしないかを決断できます。ですが無意識の反応で出てしまうため、時に自分がそのような選択をしているということに気が付かないことがあります。気づかないどころか、他の人たちに振り回され、自分ではどうしようもできないと思っています。

 

受動的スタイルを持っている人は、無意識に例えば以下のような考えを持っている可能性があります。

  • 他の人たちの方が私よりも重要だ。
  • みんなは自分が思い通りに生きる権利はあるが、私にはない。
  • みんなは意見を持つ権利はあるが、私にはない。
  • 私の役目は人を喜ばすことだ。
  • もし頼まれたことをやらなかったら嫌われるかもしれないという恐れ
  • 自分の人生なのにどうしよもできないという無力感

 

受動的コミュニケーションスタイルを続ける代償

  • 断らないのでさらに頼み事をされる・自分の時間を犠牲にしてしまう。(→結果的に、ストレスを感じて病気などにつながることも)
  • 人に振り回されているという怒りを相手に感じてしまう。
  • 怒りをため込み、ある日爆発してしまう(結果的に2つ目の「攻撃的コミュニケーション」になってしまう

 

ついカッとなってしまう攻撃的コミュニケーションスタイル(ガミガミさん):

攻撃的コミュニケーションスタイル(Aggressive communication style)

英語では Aggressive communication style と言います。日本語では資料によっては、アグレッシプタイプや攻撃的タイプと呼ばれています。名前の通り、相手を言葉で攻撃してしまうスタイルです。ついカッとなって強い口調で相手を責めたり怒鳴り散らしたりします。

 

攻撃的コミュニケーションスタイルの特徴

  • 大声で怒鳴り、言葉で相手を攻撃することで、短期的に要求を押し通し、ゴールを達成しようとする。
    (例:いつも怒鳴っている上司など。)
  • 建設的にどこをどういう風に変更してほしいのか、ではなく、ざっくり全体的に人格否定をする。(例:「今度から提出前に誤字脱字のチェックをしてください」ではなく「本当にミスばっかりであなたは全く仕事ができない人ですね、何回言ったらわかるの。本当にイライラする」→結局何を直してよいのかわからない。)
  • 過去の相手の間違いをいつまでも持ち出してきて攻撃し、自分が正しいことを主張しようとする。
  • ガミガミくどくどネチネチと話が長いこともある。

 

攻撃的コミュニケーションスタイルは、「自分を尊重して相手を尊重しない」スタイルです。英語で言うならば、I am OK, you are NOT OKです。

ついイラッとしてガミガミどなったり、即座にそれを相手にぶつけてしまいます。一見、言いたいことは言えたり、自分の思い通りの結果を手に入れているように見えます。ところが、実はこのスタイルでは相手を攻撃することに焦点があり、本当に実際に伝えたいことが的確な形では伝わっていない可能性があります。

 

攻撃的コミュニケーションスタイルの心理的背景

攻撃的スタイルを使用してしまう場合は、以下の考えを無意識に持っている可能性があります。

  • 怒鳴らないと相手にわかってもらえない(攻撃的スタイルを持つ両親から教わった可能性も)
  • 自信がない。(ちょっとしたことで脅威を感じて反応してしまう)
  • 攻撃的に伝えるのが手っ取り早い(あるとき、このようなコミュニケーションで自分の要望が通ったから、など)
  • 人を攻撃しなくても自己表現できるということを知らない。

 

また、それ以外には上記の「受動的コミュニケーションスタイル」の反動で、普段、言いたいことを我慢してため込んでしまうとストレスがどんどんたまり、爆発して攻撃的スタイルになってしまうこともあります。

 

攻撃的コミュニケーションスタイルを続ける代償

  • 話している内容よりも「怒っている」ことの印象のほうが大きくなってしまい、本当に伝えたいことが伝わらない。
  • 相手が表面上では言うことを聞いたとしても心は離れている
  • 相手の心に反発心が生まれ反論をしてくるので話が進まなくなる。
  • 攻撃的スタイルを使用する本人も自覚していて、後で怒鳴ったことに関して罪悪感を感じたり自己嫌悪に陥ることもある。
  • ストレスレベルが高くなる。

隠れたり避けて結果だけを達成する作為的コミュニケーションスタイル(ネチネチさん):

作為的コミュニケーションスタイル(Passive aggressive communication style)

英語ではPassive aggressive communication style (パッシブアグレッシブコミュニケーションスタイル)と言います。名前が示す通り、「passive = 受動的」と「aggressive = 攻撃的」の両方のコミュニケーションスタイルの要素を持つタイプです。

受動的スタイルと同様、言いたいことは言えないのですが、受動的のように、自分のやりたいことを我慢することはありません。攻撃的スタイルのように、自分が望む結果を手に入れます。

どうやって?このスタイルは言葉で説明するよりも例を挙げたほうが分かりやすいかもしれません。

 

作為的コミュニケーションスタイルの特徴

  • 嫌いな同僚の悪口を本人ではなく、他の人に言って怒りを発散する。
  • 約束にいつも遅れて、いつもいろんな言い訳がある。
  • 特定の誰かにパーティに誘われるときに限って、なぜかいつも体調が悪い。
  • レストランのサービスが気にくわなかったとき、直接サーバーやマネージャーに言うのではなく家に帰ってからインターネットのレビューサイトに、ネガティブな書き込みをする。
  • 約束したことをやる時間がなかなかない(と少なくとも口では言う)
  • 必要な書類や約束を「うっかり忘れる」

 

上記の例では、遅れたり忘れたりすることによって仕事をしなくてすんだり、陰口をたたいたりネットに書き込むことで自分の中の怒りを表現することができます。少しずるいのですが、実際に「うっかり忘れた」り「渋滞で遅れた」りすることはありうるため、だから、このような言い訳を言われた相手も「まあ、それじゃあ仕方がないよね」と言いざるを得ません。

それで責任を免れることができます。ところがこの行動を繰り返すことにも、もちろん長期的な代償はあります。

 

作為的コミュニケーションスタイルを続ける代償

  • 周囲の人たちが作為的スタイルのパターンに気が付き、信用されなくなる。
  • 作為的スタイルを選んだ人が心の奥底で「罪悪感」や「羞恥心」などを積み重ねている可能背もある。
  • 「受動的スタイル」と同様、人に振り回されている感がある。
  • 毎回言い訳を考えなければならない。
  • 言い訳が認められなかった場合、結局責任逃れをできない(例:「今日は体調が悪いから休みます」「では、体調が治ったら一緒に○○しましょう」→逃げられない)

 

そしてこの作為的コミュニケーションスタイルの場合、相手はもちろんのこと自分の主張もしていませんので、相手も自分も尊重しないスタイルといってもよいかもしれません。英語で言うと I am NOT OK, you and NOT OK.

 

自分も相手も尊重する「アサーション(アサーティブコミュニケーションスタイル)」(サラッとさん):

アサーション(Assertive communication style) アサーティブコミュニケーションスタイル

冒頭で説明した通り、「アサーティブコミュニケーションスタイル」は相手に協力してもらいやすい形で自分の気持ちをサラッと素直に伝えるスタイルです。英語で言うと、I am OK, You are OK となります。

説明を続けてもピンとこないかもしれませんので、さっさと例を挙げて説明しましょう。

 

事例:長い列で待っているときに、自分の前に誰かが割り込んできた場合

新しいアイフォンが出るので開店前のお店の前に列を作って待っているところ、誰かが割り込んできました。その時、あなたならどうしますか?

それぞれのコミュニケーションスタイルではどのように対応するかの例を挙げてみます。(念のため、英文もつけておきます)

 

受動的コミュニケーションスタイルの場合:

嫌な気持ちになりながらも、何もしない。

→もやもやしながら自分が犠牲になることで処理。

 

攻撃的コミュニケーションスタイルの場合:

「ちょっと割り込まないでくださいよ」と怒鳴る。“Hey you, don’t cut in. “

→列に割り込んだ「相手」を指摘することにフォーカスする伝え方。実際に相手が悪かったとしても攻撃的に注意されるといやな気持ちになる

 

作為的コミュニケーションの場合:

本人に聞こえるように、一緒に列を待っている人に「なんであの人は後から来たのに列に割り込むんですかねー」と愚痴を言う。

→もやもやを発散するが、相手が行動を変えてくれるかどうかはわからない。

 

アサーティブコミュニケーションの場合:

「すみません、列の最後はあそこですよ」と言う。Excuse me, the line ends there.

→相手を批判せずに、客観的事実だけをお知らせしている。

相手はただ勘違いしただけかもしれないし、あるいは相手はもともとその列に並んでいて戻ってきただけかもしれない。

この例はとても簡単ではありますがよく考えてみるとかなり深い内容です。アサーティブな文章とアサーティブではない文章には決定的な違いがいくつかあります。

アサーティブではないスタイルでは、相手のせいでこういう状況になったという被害者意識があります。また、相手が既に行ったこと(過去)に会話の焦点があります。

一方、アサーションでは、今どういう状況であるかをなるべく客観的に伝え(相手の反発を招かない)、過去ではなく「いまどうするか」にフォーカスしていきます。

 

アサーションを身に付けると・・・

  • 言いたいことを素直にサラッと伝えることができるようになる。
  • やりたくないことはサラッと断れることができる。
  • 日常のストレスレベルが下がる。
  • 助けが必要な時は人にすぐ頼めるようになるため、ゴール達成や問題解決が早まる。
  • 他人のことが前よりも理解できるようになり、嫌いな人が減る・あるいは気にならなくなる。
  • 職場や家庭で他人からの信頼を得ることができる。
  • 建設的なフィードバックを効果的に与えたり受け取ることができる。
  • 適切で具体的な誉め言葉を周囲の人に与えることができる。
  • 交渉・営業・自己アピールがうまくなる。
  • 自分が望んでいることを明確に言語化できるようになる。
  • 実践的にどのように話をすれば相手に響く・響かないのかが分かる。
  • 自己肯定心が高まる。

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