時々(と言うか実はよく)、「人気者になりたいんです」とクライアントがいらっしゃいます。
「いい大人なのに恥ずかしいのですが」という前置きつきで、「どうすればみんなから好かれるようになりますか」とご相談されます。
普段、職場などで自分の言いたいことをちゃんといえないタイプ(例えばこんな人)に多いようです。
自分の意見を言えない、他人の顔色を伺う、頼みごとを断れない、他人に意見を合わせてしまう、というようなタイプです。
「いい大人なのに」とおっしゃりますが、恥ずかしいと思う必要はありません。
たぶんほとんどの人が人気者になりたいし、モテたいのでは。
特に異性に人気者になりたい(モテたい)、というのは子孫繁栄のための本能に基づいた願望です。
なので、人気者になりたいというのは自然な願望といえます。
そして「人気者になる方法」とグーグル先生に聞いてみるといろんなサイトがヒットします。
そしていろんな方法が紹介されています。
コミュニケーションのテクニックや、心理学のセオリーを利用したものまで。
普段の生活で実践できるかどうかは別として、参考にはなるかと思います。
そのゴール本当は適切か?
ただ、ひとつ、確認したいことがあります。
それは「人気者になる」というゴール設定があなたに都合が良いものかどうか、ということです。
ちょっと考えてみてください。
とくに普段から、言いたいことを言えない方。
素の自分を出せないのは、「人(みんな)から好かれたいからだ」とほとんどの方はおっしゃいます。
では仮に素の自分を出さないことで周りの人から好かれて人気者になったとします。
ゴールは達成したように一見思えます。
ですが、あなたはそんな自分を好きですか?
好きではないですよね。
素の自分ではないのだから。
ということはあなたは「みんなに好かれていない」のです。
一人あなたのことを好きではない人がいるのだから。
また、はたして人気者とはどういう人を指すのか。
あなたの周りの人気者を観察してみてください。
その人たちはどういうクオリティを持っていますか。
その人たちも、他人の顔色伺っていますか?
自分の意見を言わずに他人に合わせていますか?
そして、普段からあなたに意見を合わせる人がいたと考えてみてください。
「ランチ食べに行こう。どこ行きたい?」と言っても、毎回「どこでもいい」と言う人。
あなたが意見を言うと「私もそう思う」としか言わない人。
「今日は何しよう」というと「なんでもいい」といつも言う人。
そんな人のことをあなたは「好きだ。こんな人になりたい」と思いますか?
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